家族への伝達
親に「片付けて」と言う前に、話しておきたいこと
片付けの前に、その家の暮らしを知る
最初は「何を捨てるか」より「どこで困っているか」「何を大切にしたいか」を聞きます。本人と合意した小さな場所から、一緒に進めましょう。
帰省して物の多さが気になっても、住んでいる人にはいつもの暮らしがあります。子どもの心配と、親が守りたい生活。その両方が分かる会話から始めてみませんか。
1まず聞く
親が困っていることは、何だろう
「物が多いね」と評価するより、「探しにくい物はない?」「掃除で大変な所は?」と具体的に聞きます。子どもには不要に見える品にも、使い道や思い出があるかもしれません。
片付ける時間が欲しいのか、重い物を動かす手伝いが欲しいのか、まだ何も変えたくないのか。本人が求めることを聞けば、手伝い方も変わります。答えを急がせず、今日は話を聞くだけでもかまいません。
2共通の目標
全部きれいにするより、通りやすくする
玄関から居間までの通り道、夜に歩く場所、よく使う物の置き場所など、生活上の不便を一つ選びます。「使いやすくしたい」という目標なら、捨てる以外の解決も考えられます。
米国国立老化研究所は、歩く場所に本や衣類などを置かず、よく使う物を手の届く位置へ置くよう案内しています。安全上の心配がある時は、その場所を具体的に示して相談しましょう。
- 1
困っている場面を聞く
例:玄関で靴を選びにくい
- 2
一緒に範囲を決める
例:今日は玄関の一段だけ
- 3
残す物を本人が確認する
迷う物は捨てず、次に確認することを決める
3家の将来
今の片付けと、将来の話をつなぐ
今住みやすくする話から、「これからもこの家で暮らしたい?」と将来の希望へつなげる方法があります。売却や施設入居を先に決めたような話し方は避け、本人の考えを聞きます。
国土交通省も、空き家になる前から親子で住まいの将来を話し合うことを勧めています。住む人がいなくなった時の管理や家財について、家族ができることと難しいことを持ち寄りましょう。
4続けるために
勝手に捨てず、約束を小さく残す
不在の間に片付ける場合でも、作業範囲や残す物、確認が必要な品を先に合意します。予定外の品が出てきたら、その場で処分せず相談する連絡方法を決めておきましょう。
家族だけでは話が進まない時は、困りごとに応じて地域の相談窓口や作業の専門家を交える方法があります。依頼する場合も、本人の希望を置き去りにしないことが大切です。
次に一緒にすること
- 本人が大切にしたいこと
- 例:居間の本は、まだ読み返したい
- 今回合意した範囲
- 例:通り道にある空き箱だけを確認する
- 確認せず処分しない物
- 例:手紙、写真、書類、価値が分からない品
次の帰省では「片付けて」より先に、「今、使いにくい所はある?」と聞いてみましょう。
